今回は介護保険でレンタルすることができる床ずれ防止用具(原則要介護2以上~)についてご紹介したいと思います。
そもそも床(とこ)ずれとは?
床ずれ(褥瘡)は皮膚に圧迫等の負荷がかかった際に生じた損傷のことをいいます。
高齢になると栄養不足による皮膚の痩せや骨の突出により、床ずれが発生しやすくなります。
また、寝たきりや寝返りがうてなくなってしまうと、皮膚の同じ場所に圧がかかり、床ずれの発生リスクを高めます。
ずれやムレも床ずれを発生させてしまう要因となり、それらが重なって床ずれを発生させてしまいます。
主な原因のまとめ
・栄養不足(皮膚の痩せ)
・圧力(皮膚にかかる圧迫)
・摩擦・ずれ(皮膚へのダメージ)
・ムレ(摩擦力を上げる)
床ずれ防止用具とは?

床ずれ防止用具とは、床ずれ(褥瘡)ができている人、もしくは発生してしまうリスクが高い方が、床ずれの悪化や床ずれができてしまうリスクを予防するためのマットレスとなります。
床ずれ防止用具のマットレスは圧力の分散力に特化しており、床ずれの予防を図ってくれます。
デメリットとしてはマットレスへの沈み込みが強く、寝返りや起き上がりといった動作が行いづらくなります。
マットレスはウレタンなどでできた静止型タイプと圧切替タイプ(エアーマットレス)があります。
床ずれ防止用具を利用する際には、
・動作はどれぐらい行えるか?
・現状でどのぐらいの発赤・床ずれがあるか?
・栄養はどれぐらいとれいてるか?
などの要因を把握して、適切な商品選定が必要です。
関わっている福祉用具専門相談員やケアマネージャーなどの各専門の方のアドバイスも参考にしましょう。
床ずれに関しては一度できてしまうと治るまでに時間がかかってしまうため、早めの処置や対応が必要となります。
マットレスの種類
静止型マットレス

ウレタンやジェルなどの素地でできおり、柔らかな素材でより身体全体が沈み込むようにできております。
特殊寝台付属品でレンタルできるマットレスより体圧分散効果が高いですが、エアーマットレスには劣ります。
エアーマットレスと比較すると、ベッド上での動作は行いやすいです。
沈み込みにより接地面が増え、夏場など暑くなりがちです。
エアーマットレス

電気で動いており、決められた時間でマットレス内に空気を調整し、床ずれの予防を図ります。
寝たきり状態やその状態に近い方が利用されることが多いです。機能は体重を設定して自動で空気の
調整をしてくれるもの、風を送りマットレス内のムレ対策機能を有したものなどがあります。
デメリットとしては静止型マットレスより沈み込んでしまうため、さらに動作が行いづらくなります。
また、接地面積もさらに増えるため、より熱く感じます。
エアーマットレス(自動体位変換付き)

圧切り替え+自動で体位変換を行ってくれるマットレスとなります。
空気の圧切り替えとは別に、時間に応じて左や右に体位変換を行ってくれます。
2時間に一度体位変換をしないと床ずれリスクが高くなるという目安もあるため、夜間など介護者も
体位変換を行えないけど床ずれリスクが高い人などに有効的です。
設定は細かく調整できるものも多いです。また、体位変換機能はon/offができるため、背上げ時や
寝台上で食事をとっている際は機能を停止させることもできます。
まとめ
今回は床ずれ予防のマットレスを紹介させて頂きました。
床ずれ防止用具の利用には各専門家のアドバイスを参考にして適合する商品を選定して頂ければと思います。
ご注意頂きたいのが、床ずれ防止用具の利用により、ベッド上で過ごしている際の圧力の分散を行うことはできますが、栄養不足やベッド上以外での床ずれリスク(長時間車いすに座るなど)にも注意が必要です。
床ずれ防止用具で全てをカバーすることはできないので、他に床ずれになっている原因もしっかりと把握して、最適の対応をし、その一部として床ずれ防止用具の適切な利用を行っていきましょう。